2010年08月30日

銀座「日々」個展のお知らせ 〜2


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今日は個展の宣伝です。
画像は失踪しかけた日(「朝逃げ」の記事参照)の窯で焼きあがった作品の一つです(笑)

何なのかわかりにくいと思いますが、「掛け花入れ」です。
花を入れなくても、陶板として飾っておけますが、後ろに筒が付いているので、花器としても使えます。
一個でもいいけど、4連で並べてもいいかと思います。

複雑な色合いですが、これは銅による発色です。
銅を下地に塗って、上に釉薬をかけて焼成すると銅が赤く発色するという、いわゆる「釉裏紅」と言われる伝統的な技術と同じ原理ですが、伝統色があまり感じられないように使っています。

今回の個展では、会場の挿花をフラワースタイリストの谷匡子さんにお願いしました。
谷さんはTIME&STYLEをはじめ様々な店舗の花を手掛け、「天然生活」などにも頻繁に取り上げられる、とても実力のある方です。
谷さんがこれらの花器にどういう花を生けてくださるのか、私自身、非常に楽しみです。

是非会場に見にいらしてくださいね。


「田中信彦作品展」 銀座「日々」2010年9月10日(金)〜15日(水)


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2010年08月29日

朝逃げ


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銀座「日々」個展の作品制作も大詰めを迎えています。
生地作りはほぼ終わって、3回の本焼きを予定していますが、おととい、ひとつ目の窯を焚きました。

窯の扉には、5センチ四方くらいの色見穴があって、扉を開けられない温度でも、その穴から懐中電灯で中をちょっとだけ覗くことができます。

昨日の朝、一晩冷ました窯の温度は約450度。
やはり、個展の窯、非常に気になりますから、朝起きると同時に窯場に直行して、色見穴から中をのぞく・・・。

「げええええっ!」
つぶされた青虫のような悲鳴を上げる。(青虫は声出せないか・・・(笑)
「赤く出るはずのものが色がぬけちゃってるぅ・・。やばい・・・」
冷たいものが背中を伝い、世の中で自分だけが暗黒大王(←誰?)に抱きつかれたような気分。
「いやいや、実際に窯から作品を出すまでわからんじゃないか。」

ポジティブな自分と、ネガティブな自分が交互に入り混じるが、実は生まれつきの根暗人間ゆえ、ネガティブな自分がむくむくと巨大化していく。
ふとつぶやく。
「逃げちゃおうかな・・・」

これは、いわゆる「夜逃げ」ならぬ「朝逃げ」である。
しかし「朝逃げ」は非常に目立つ。
深呼吸をして平静を無理やり取り戻し、
「・・・逃げるのは、作品が出てからにしよう」
と思い直した。

仕事に取り掛かっても、平均台の上で仕事してるみたいな気分。
遂に、午後3時過ぎ、窯出し。


その結果・・・

「いいじゃん!」を一人で連発。
何のことはない、結果は上々の上、つまり、とーっても良かったてことです。
わはは。


小さな穴から、懐中電灯で照らして見るのと実際の雰囲気は大違いで、見てもらいたい、と思えるものがたくさんできました!

あー、逃げなくて良かった!(笑)

僕の周りでも、ものつくりを生業(=仕事)としている人は、みんな似たようなもんです。
だって、失敗したらご飯食べられなくなっちゃう。

どんな成功している人だって、それで食べている人、つまり「プロ」はいつでも「崖っぷち」なんだと思います。
失敗しても食べるのには困らない、っていうのは、「仕事」ではなくて「趣味」なんじゃないかなあ。

話が真面目なほうに来てしまったので、また次に…。


posted by Nobuhiko Tanaka at 01:24| Comment(2) | TrackBack(0) | 作品展 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月19日

行ってきました〜


水野







仕事の時間調整をして(←現実逃避という話もあるが・・)、先日のブログにアップした「ginza水野」に行ってきました。

店に入ると、各席に私の銀彩の「イス型ハシ置き」がちゃんとあって、いい具合にいぶし銀になってきていました。
オーナーシェフの水野さんとは、初対面。
とても誠実そうで、柔らかい雰囲気を持った方でした。

私は、お昼の会席(1500円)をいただきました。
グルメライターではないので、料理一つ一つの紹介はしませんが、食べた感想を。
一言で言うと、これぞ「プロの料理」。
当たり前と言えば当たり前ですが、心からそう感じました。
やきものでも料理でも同じだと思うのですが、どんな技術があるプロでも、「押さえどころ」を押さえられないと、とんちんかんなものが出来上がってしまう。
それは言い換えれば「センス」なのですが、いただいた料理は一つ一つの料理の「押さえどころ」がすべてきっちり抑えてあるなあ、と感じました。
食材のセレクト、味付け、食感などなど、技術とセンスの両輪がきっちりとかみ合った料理でした。
(器もいい器使ってます!)

たいしたグルメでもないのに、エラそうに評論しちゃって失礼かなと思いますが、プロとアマが混濁しているこの時代に「プロであるということ」を、改めて感じさせていただけたので、書いちゃいました。

枝豆のしんじょと卵焼きが特に印象的だったな。(おこちゃま舌がばればれ・・)
あ、サトイモの揚げ物もおいしかった。

私の個展にいらした折には、ぜひぜひご利用くださいね〜。
カメラ忘れたので、携帯での一枚のみです。


posted by Nobuhiko Tanaka at 23:07| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月10日

銀座「日々」個展のお知らせ 〜その1

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9月10日(金)〜15日(水)
「田中信彦作品展」 銀座「日々」
場所は、銀座中央通りから数本入った「並木通り」。
婦人服の「EPOCA THE SHOP」の店内に入り、階段で地下へ降りると、そこが今回の会場「日々」。
凛とした雰囲気を持った和の空間がひろがります。
結構広いです。

現在、私の定期的に個展をさせていただいているところは、どこも「いつかやらせてもらいたいなあ」と思っていたところばかり。
で、今回が初めての「日々」同じ思いをずっと持っていた会場。
それだけに相当の緊張感を持って、酷暑の中、制作中です。
いよいよ後一か月を切りました。
目標の作品数、350点まであと一息のところ。
ストレスとの戦いの残りひと月。
心と体、なんとか持たせなきゃね。

DMができました。
ご希望の方はメールにてご連絡ください。



銅彩ポット


posted by Nobuhiko Tanaka at 22:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 作品展 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月06日

カミングアウトか?


金屏風






長いお付き合いの方は、たいてい知っていますので、別にカミングアウトってほど大げさではないのですが、高校時代、「落語研究会」にどっぷり浸かってました(笑)。
芸名は、「怪々亭韻錦」。
一見きれいな芸名ですが、読み仮名をつけるとお下劣極まりないので、あえて読み仮名はつけません。わはは。(でも、我が落研では伝統ある名前なのですがね・・(汗)

当時、落語の練習をしていると、先輩から「ちゃんと間を取れ」と、言われたものです。
初めの頃って、高座に上ると舞い上がってしまって、自然と早口になり、つらつらつらと、ひたすら喋ってしまい、台詞と台詞のあいだの「間」が無くなってしまうのです。
落語ってある意味、聴き手の想像力をいかに膨らませるかが大事だと思うのですが、「間」がないとそれが成立しない。
「間」は非常に大事ということを勉強したわけです。

で、やきものを作るようになって、あるとき、日本人の美意識の大きな要素の一つは、「間」なんだ、ということに気付きました。
そっか、落語も、やきものも根っこに共通するものは同じなんだな〜と。(ま、ちょいと、強引ですかね…)

20代半ば、吉祥寺の陶芸教室で講師をしていたときに、当時の所長、板橋廣美先生がおっしゃったことは、今でも私の創作のベースになっています。(でも、飲み会で相当酔っていたときだった気がするからご本人は覚えていないかも・・(笑)
「できる限り、要素は少なく、でも見た人が最大限に情報を受け取れる作品が、理想である」

これはまさに「間」なんですね。
実際、先生が作られるのは、磁器の鋳込みの真っ白い作品。でも、その作品はみていると、心の中のたくさんのスイッチを押してくれる。

落語の台詞と台詞の隙間、真っ白いだけの磁器の表情。
どちらも、「間」であり、ある意味「無」なのですが何もない「無」ではなく、ぎっしり何かが詰まっている。
だからこそ人は、そこから限りない自由な感性を働かせることができるのです。

まあ、でも実際作品を作っていると、理想通りにはいかないのですがね〜。それでも、いつも、そんなことを肝に銘じながら作っているわけです。

私なりにまとめると、
「何もないところに、全てがある」
ということでしょうか。
あ、ちょっとカッコイイかも・・(爆)


posted by Nobuhiko Tanaka at 00:24| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする