2012年11月04日

変えていくということ

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おなじみの「色の器」シリーズ、湯呑み・マグカップなどの内側の釉薬を変えました。
8月の日本橋三越での展示の時からです。

上の写真が新しいもの。下が従来品ですが、(写真では分かりにくいかもしれませんが)上の新しい方は内側の釉薬が外側とは異なり、光沢感がある釉薬になっています。
理由は「汚れが付きにくいようにするため」です。

自分としては、もともと、内側も外と同じ艶消しの釉薬の表情のほうが好きなので、内外同じにしていました。ただ比較的マットが強い釉薬なのでお茶やコーヒーなどの用途で日常的に使った場合どうしても汚れが付きやすい傾向があり、お客様には「汚れた場合、漂白剤につければきれいに戻ります」というご案内をしていました。
ただ、やっぱり日常の器として使っていただくには汚れにくい方がいいよなあ、とも思い、「質感」と「実用」の間で迷っていましたが、この前の展示から思い切って変えたわけです。

この「質感(デザイン)」と「実用」のバランスというのは、僕たちのような個人作家にとっては避けて通れない命題です。
当然、デザインと実用は両立すると思ってはいますが、「個人作家の焼き物」という分野においてはそれは時にとても難しい問題であったりするのです。
僕は常に「実用」のほうに重心を置いてモノつくりをしていますが、あまりそっちに寄りすぎると、量産の器と重なるところが多くなりすぎてしまう。
実感として、いわゆる「作家もの」と呼ばれるやきものを使ってくださるユーザーは100パーセントの使いやすさのみを求めているわけではありません。モノのデザイン、色、質感に惹かれて使ってくださる部分もある。
だから、丈夫さ、軽さ、重ねやすさ、などなど、実用性ばかりを追い求めても、そのユーザーの方たちには余りアピールしない。
結局はバランスなのです。
そのバランスを取りながら、モノとしても魅力的だし、使い勝手もいい「作品」を出していかなければならない。

で、今回は、少し「実用」のほうに寄る決断をしたということです。
僕は自分の作るものは「作品」であると同時に「商品」とも思っていますから、常にユーザーの方にとって良い方に「変えていくこと」を模索しています。

次の展示ときにはぜひ確認してみてください。





posted by Nobuhiko Tanaka at 22:12| Comment(0) | TrackBack(0) | よみもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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